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患者様に「最善の選択」をしていただくために

今や、歯科医師からの提案だけではなく、患者様自身もある程度の知識を持って治療を選択する時代になってきています。 そこで、次節以降は歯科知識のない患者様でも、ご自身に最適な治療法を選択できるように、歯を失った場合の選択肢であるインプラント、入れ歯、ブリッジについて書かせていただきました。是非、ご一読ください。

歯を失った場合の治療法には3つの選択肢があります。

歯を失ってしまった場合には、インプラント・ブリッジ・入れ歯の3つの選択肢があります。

  • 【インプラント】
    インプラント
  • 【ブリッジ】
    ブリッジ
  • 【入れ歯】
    入れ歯

それぞれの治療法の特徴についてご説明します。

インプラントとは?

インプラント治療は、歯を失ったところを回復する治療としては、現在の歯科医療で実現可能な最先端の治療方法であるといえます。
インプラント治療では、歯を失ったところに人工のネジを埋め込み、その上に被せ物を装着することで、本来の機能近くまで噛む力を回復することが可能です。ブリッジや入れ歯と異なり周囲の歯に負担をかけることもなく、見た目にもほとんどご自身の歯と区別がつきません。

また、しっかりメンテナンスを継続することで10年経過後のインプラントの残存率は95%以上と、他の治療方法と比較しても圧倒的に成功率の高い治療法であり、インプラント治療が現在の歯科医療を大きく変えたと言われているほど画期的な治療方法であるといえます。

ただし、最先端の治療方法であるため、保険の適用範囲外の治療となります。

ブリッジとは?

インプラント治療が普及する以前は、歯を失った場合の第一選択として考えられていたのが、ブリッジによる治療です。

ブリッジ治療では、失った歯の両隣の歯を削って、土台を作り、両端から橋渡しをするような形で失った歯を補うようにします。
見た目には歯の本数が増えたように見えますが、実際には、失った歯の分を両端の歯で支えていますので、噛む力は本来の60%程度となります。

また、ブリッジの8年経過後の残存率は50%程度と低く、支えとなっている両端の土台となった歯に大きな負担がかかるため抜歯しなくてはいけないケースも多く存在します。このリスクをしっかりと認識したうえで治療を選択することが大切です。

ブリッジは、装着する部位や、使用する材料に応じて、保険適用されるものと保険適用がされないものがあります。

入れ歯とは?

入れ歯による治療は古くから行われている方法です。
失った歯の本数に応じて、様々な形態の入れ歯が存在します。

入れ歯の噛む力は、30%程度と言われています。3つの治療方法の中では、一番安定感がないだけではなく、『入れ歯は歯を壊す装置』と言われるほど、入れ歯をひっかけている歯がその負担に耐えられずに抜歯しなくてはいけないケースが多いといえます。そのため、入れ歯は4年程度で50%以上の方が作り直している治療方法です。
「家族と一緒に食事に行っても自分だけメニューを変えなくてはいけない」「旅行に行ったときなどは、隅の方で隠れながら入れ歯を外している」など生活の質を落としてしまうのも入れ歯の欠点であるといえます。

しかし、保険外の入れ歯を選択していただくことで、ピッタリと合った入れ歯を作製することが可能となり、「痛い、噛めない、外れる」といった入れ歯の悩みを解消することが出来ますので、一概に入れ歯は良くないとも言い切れません。

入れ歯は、使用する材料に応じて、保険が適用されるものと保険適用がされないものを任意で選択することが可能です。
詳しくは入れ歯を参照ください。

インプラント・ブリッジ・入れ歯の耐用年数の比較

インプラント ブリッジ 入れ歯
画像 インプラント ブリッジ 入れ歯
噛み応え 90% 60% 30%
周囲の歯への優しさ
見た目の美しさ ○または×
(保険の有無により異なります)
○または×
(保険の有無により異なります)
耐久性 ×
保険適用の有無 × ○または× ○または×

インプラント・ブリッジ・入れ歯の耐用年数の比較

この表の見方を説明します。

「入れ歯」

4年経過後に50%の入れ歯が破損・不具合などで作り直しになります。

「ブリッジ」

8年経過後に50%が破損・不具合などで作り直しになります。

「インプラント」

10年経過後でもわずか4%のみが破損・不具合で作り直しとなります。 50%に到達するにはまだまだ時間的余裕があり、しっかりしたメンテナンスを行っていれば、生涯を通して使用できることが分かります。

この統計により、インプラントが他の治療法と比べどれだけ安定性・信頼性があるか理解していただけたと思います。

インプラント治療のリスク

どんな治療であっても、リスクは必ず存在します。
これはインプラントも例外ではありません。まず患者様にそのリスクをしっかり知っていただくことが大切だと思っております。
私たちは、患者様ごとのリスクを一つ一つ分析し、それを解決していくことでリスクを無くす取り組みを行っております。

手術時のリスク

  • 方向を誤り、隣の歯や骨を壊してしまう。
  • 血管や神経を傷つけてしまう。
  • 上顎洞といわれる副鼻腔に貫通してしまう。
  • ドリルの摩擦熱による骨の部分的な炎症。

手術後のリスク

  • 治療部位が感染を起こしてしまう。
  • 不適切な噛み合わせで、骨吸収を早めてしまう。
  • 歯磨きの仕方が悪く、周囲の歯茎に炎症を起こしてしまう。

このように様々なリスクが存在しますが、精密検査を行い、その人その人に合った治療計画を立てた上で、経験のある歯科医師がインプラント治療を行えば、それほど心配するようなリスクではありません。

当院では、今まで上記の代表的なトラブルはありません。しかし、次回は100%安全ということは人間が行う治療である限りありえません。次回手術が100%安全と説明できるようになるためには、その実績を日々続け、長期継続させることが大切であると考えます。安全対策としましては、滅菌対策は当然として、当院では複数の歯科医師による治療計画の立案、CTやレントゲンをもとにパソコンソフトでしっかり分析して診断することが重要だと思っております。

一般的なインプラント手術の流れ

1.検査・診断

レントゲン・CT検査

お口の中の型をとり、インプラントを埋め込む顎の骨の「量」「質」「形」を診査するため、レントゲン撮影、CT撮影を行います。

インプラント治療は、まず歯を支える「土台」を作るところから始まります。
建物で例えれば、柱を立てるところから始まるわけです。柱は土壌のしっかりした場所に立てることが鉄則であり、壊れない建物を建てる基礎となるでしょう。 インプラントも同じです。インプラント体を立てる土壌はつまり、「」。
骨がしっかりとある部分にインプラントを立てるのが最も安全な治療法となります。
では、具体的にどのようにして骨の量を検査するのでしょうか。

また、骨が少なく、そのままではインプラントを埋めることのできない患者様に対しては、骨の移植、再生術を行っていきます。

お口の中の診査

歯茎の状態や、噛み合わせの診査をし、インプラントの適切なサイズや埋め込む位置を検討します。
また、何らかの原因(歯周病・虫歯・噛み合わせ)で歯を失ったわけですから、その原因が残っている場合は、インプラント治療を始める前にそれらの治療も行っていくことになります。

全身状態の確認

高血圧や糖尿病、その他の持病のある方、常用薬のある方などは、歯科医師へ申し出てください。安全・確実なインプラントを行うには、歯科医師もきちんとした情報を取得しておくことが必要となります。
例えば、通常インプラントはそれほど侵襲の大きな処置ではありませんが、血が出る処置を含みますので、血の固まりにくいお薬を飲んでいる方などは中止していただくこともあります。 また、アレルギーのある方も、分かる範囲で結構ですので、きちんと申し出てください。

2.一次手術

麻酔をしてから、歯茎を切開し、骨を削り、インプラントを埋め込みます。
その後、インプラントに蓋を取り付けて歯茎を閉じます(2回法の1回目の手術)。
1回法の手術の場合は大きめの蓋を取り付け、お口の中にその蓋が見えるようにして手術を終了し、2次手術は行いません。
インプラント体の数や難易度により、個人差がありますが、1本につき30分〜1時間かかります。 術後、3〜4日は多少の痛みと腫れが出ます。

「1回法」「2回法」とは?

骨の状態 メリット デメリット
1回法 良好 1回の手術で済む 骨とインプラント体との結合が不十分となるケースがある。
2回法 普通 スタンダードな治療法で、骨とインプラント体の結合が良好 2回の手術が必要

「1回法の方が手術が1回で済むので良いのでは?」と思われるかもしれませんが、必ずしもそういうわけではありません。骨の移植が必要な場合、細菌感染のリスクの高い場合などには2回法を用いる方が安全・確実に手術を行えることもあります。

最近では加えて、診断技術や、治療技術、器械類の発達によって、骨の状態が良い場合には、手術の当日に仮歯を装着してしまう方法(即日インプラント)なども行われるようになっています。

3.治癒期間

1.5〜4ヶ月の治癒期間を置き、インプラント体と骨が結合する期間を置きます。
治癒期間中、入れ歯や他の歯を利用した仮歯を使用することもできます。

4.二次手術

2回法を選択した場合には、治癒期間終了後に歯茎を開けて、大きい蓋に取り替える2次手術を行います。1回法の場合にはこの手術は行いません。

5.仮歯装着

歯茎が治癒したところで、仮歯を作り、実際に使用していただきながら形態や装着感などを確認します。 噛み合わせや強度に違和感があれば主治医と相談し、本歯の作製に向けたデータを集めていきます。

6.最終的な歯の装着

仮歯の装着で得た情報を基に最終的な本歯用の型を採り、歯並びや色をチェックして本歯を作製します。 作製した本歯を装着し、治療が完了します。

7.メンテナンス

  • きちんとしたメンテナンスを継続することによって、インプラントを長く快適に使っていただくことができます。
    お手入れの主役はあくまで患者様ご自身です。
    日頃からお口の中をきれいに保つように努力していただくことが最も大切となります。
    ※インプラント治療が始まってから終わるまでには、多少の時間がかかります。
    かなりの個人差がありますので、主治医と相談のもと、綿密な計画を立てて治療に入ります。

手術後に気を付けていただきたいこと

「飲食」について

麻酔は2〜3時間くらいで切れます。お口の中の感覚が戻ってから、飲食してください。
その間は、「冷たい飲み物」は飲んでも結構ですが、「固いもの」や「熱いもの」は避けてください。お口の中を噛んだり、やけどをする危険があります。
当日は、「アルコール類」や「刺激物」は避けてください。
通常の食事をしていただいて問題ないですが、傷はなるべく刺激しない方が好ましいので、食べ物が当たらないように気を付けるようにしてください。

「清掃」について

食べた後は、うがいをして汚れを溜めないようにしてください。手術した部分については、手術後約1週間1日2度はうがい薬でぶくぶくうがい消毒してください。市販のイソジンなどでも効果があります。 歯磨きは、手術した部位を避けて、他の部分はきちんと磨き、磨いた後にうがいをしてください。 手術した部分を舌や指で触ると不潔になり、痛みや出血、感染を起こすことがありますので注意してください。

「日常生活」について

当日」は激しい運動や長時間の入浴など、血液の循環が良くなるような行為は避けてください。出血しやすくなったり、痛むことがあります。 お薬は指示通りに服用してください。 痛みや腫れがあるときは、術後2日間くらいは冷たい氷で冷やしてみてください。
(長く冷やしすぎるとしこりとなって残る危険がありますので、注意してください。)

翌日」からは血が止まり、熱がなければ入浴しても大丈夫ですが、傷が良くなるまでは血液の循環を良くするような行為をすると痛みがでることがあります。

術後1日くらいは傷口から血がにじむことがあります。
血がしっかりと固まり止まるまでは、お口を頻繁にゆすぎ過ぎないようにしてください。
尚、まれにお口の中の血が固まり、あざのようになることもありますが、次第に消えてゆきますのでご安心ください。

傷の治りが悪くなりますので、喫煙は極力控えてください。

「術後の経過」について

術後1〜2週間経過した後、インプラントを埋め込んだ部分の痛みや違和感は消えていくのが普通です。時間が経っても、それらの症状が継続する、あるいは悪化することがあれば担当医にご相談ください。 まれに、最初の手術でインプラントがしっかりと骨にくっつかない場合もあります。その際にはやり直しなどの処置がありますので、担当医によくご相談ください。

「メンテナンス」について

全体的に丁寧に歯ブラシをします。手用・電動ブラシどちらでも構いません。
隙間の大きな部分は歯間ブラシや、フロス(糸ようじ)を利用して、細かいところまで磨きます。
また、噛み合わせが変化したり、清掃が行き届いているかをチェックするために、歯科医院で定期的なメンテナンスを行ってください。

インプラント特集

料金体系

詳細は料金表をご参照ください。

※インプラントは医療費控除の対象となります。
料金表に詳しく記載していますのでそちらをご参照ください。